ROCKET FILE 01 — H3
H3
ロケット
H-IIAのあとを継ぐ、日本の新しい主力ロケット。エンジンとブースターの数を組み合わせ、運ぶ衛星に合わせた形で打ち上げます。2023年の初号機から9回打ち上がり、7回成功しています。
最終確認 2026.10.16
NEXT — 10号機
2026.10.20 TUE 4:41:03火星衛星探査機MMXを載せ、種子島宇宙センターから。打ち上げの約5分30秒後には、日本のほぼ全域の空で光が見える可能性があります。
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H3のしくみ
H3は2段式のロケットです。第1段は直径5.2mの太い胴体に液体水素と液体酸素を積み、新しく開発したエンジンLE-9を2基か3基つけています。
第2段のエンジンはLE-5B-3が1基。宇宙に出てから何度か火をつけ直し、衛星を目的の軌道まで運びます。
足元に並ぶのが固体燃料ブースターSRB-3。1本の長さは14.6mです。ブースターは向きを変えるノズルを持たず、機体の向きは第1段のLE-9が調整します。
いちばん上のフェアリングは、衛星を空気や熱から守るカバー。短いS型(長さ10.4m)と長いL型(16.4m)などがあり、宇宙に出たら2つに割れて外れます。
NAMING
「H3-24L」の読み方
名前の数字は、1つめがLE-9エンジンの数、2つめがSRB-3ブースターの本数です。最後のアルファベットはフェアリングの種類で、Sは短い型、Lは長い型、Wは幅の広い型を表します。
つまり10号機の「H3-24L」は、エンジン2基・ブースター4本・長いフェアリング。H3の中でもっとも力の強い組み合わせです。重い探査機を火星へ向かう軌道に乗せるため、この形が選ばれました。
反対に、ブースターを使わない「H3-30」は、2026年6月の6号機で初めて飛びました。ブースターがない分、打ち上げの費用を抑えやすい形です。
SPEC
おもな数値
| 全長 | 57m(S型フェアリング)/63m(L型フェアリング) |
|---|---|
| 直径 | 5.2m |
| 打ち上げ時の重さ | 約574t(H3-24L) |
| 第1段エンジン | LE-9(1基あたり1,472kN)×2〜3基 |
| 第2段エンジン | LE-5B-3(137kN)×1基 |
| 固体ブースター | SRB-3(1本あたり2,158kN、長さ14.6m)×0・2・4本 |
| 打ち上げ能力 | 静止トランスファ軌道に6.5t以上 |
| 射場 | 種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町) |
数値はJAXAの公表資料によるものです。フェアリングの長さは報道などによる値です。
RECORD
これまでの打ち上げ
| 日付 | 号機 | 形態 | 載せたもの | 結果 | メモ |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023.03.07 | TF1(試験機1号機) | H3-22S | だいち3号 | FAILURE | 第2段エンジンに着火せず、指令破壊 |
| 2024.02.17 | TF2(試験機2号機) | H3-22S | 性能確認用ペイロードほか | SUCCESS | 初めての成功 |
| 2024.07.01 | F3 | H3-22S | だいち4号 | SUCCESS | |
| 2024.11.04 | F4 | H3-22S | きらめき3号 | SUCCESS | 初めて静止トランスファ軌道へ |
| 2025.02.02 | F5 | H3-22S | みちびき6号機 | SUCCESS | |
| 2025.10.26 | F7 | H3-24W | HTV-X1 | SUCCESS | 初めての24形態 |
| 2025.12.22 | F8 | H3-22S | みちびき5号機 | FAILURE | フェアリング分離の衝撃で衛星を支える部分が壊れ、第2段が早く止まった |
| 2026.06.12 | F6 | H3-30S | 性能確認用ペイロード・小型衛星6機 | SUCCESS | 初めてブースターなしの30形態 |
| 2026.08.11 | F9 | H3-22S | みちびき7号機 | SUCCESS | 未明4時23分の打ち上げ |
| 2026.10.20 | F10 | H3-24L | 火星衛星探査機MMX | PLANNED | 4時41分03秒の予定 |
号機の番号と打ち上げの順番がずれているのは、6号機(H3-30の試験)があとに回されたためです。
2回の失敗は、どちらも原因を調べて対策をとってから次に進んでいます。8号機では、衛星をロケットに取り付ける部品の、製造時の接着のはがれが原因とされ、9号機からはボルトで留める方式に変わりました。
FLIGHT 10
10号機の見どころ
10号機が運ぶMMXは、火星の衛星フォボスに着陸して砂を持ち帰る、世界で初めての計画の探査機です。打ち上げ時の重さは約4,480kg。2027年度に火星に着き、2031年度に地球へ戻る予定です。持ち帰る砂は10g以上、地表から2cm以上の深さのものを目指しています。
地上から見るなら、注目は打ち上げの約5分30秒後。夜明け前の暗い空で、高いところを飛ぶロケットだけに太陽の光が当たり、光って見えることがあります。JAXAによると、見える可能性があるのは日本のほぼ全域。低い空(地平線から10〜20度、腕を伸ばしたこぶし1〜2個分)を探してください。
見えたら「#ロケット見えた」をつけて投稿すると、JAXAが目撃情報として集めています。
- JAXA H3ロケット 諸元(パンフレット):https://www.jaxa.jp/projects/pr/model/files/p_h3_2025.pdf
- JAXA プレスリリース H3ロケット10号機の打上げについて:https://www.jaxa.jp/press/2026/08/20260820-1_j.html
- JAXA H3ロケット10号機 特設サイト:https://fanfun.jaxa.jp/countdown/mmx_h3f10/index.html
- JAXA H3ロケット10号機 プレスキット:https://fanfun.jaxa.jp/countdown/mmx_h3f10/files/h3f10_presskit_20261006.pdf
- JAXA 夜空のパブリックビューイング:https://fanfun.jaxa.jp/countdown/mmx_h3f10/night-sky-public-viewing.html
- JAXA MMXプレスキット:https://fanfun.jaxa.jp/countdown/mmx_h3f10/files/mmx_press-kit_ja_20260918.pdf
- 文部科学省 H3ロケット8号機の原因究明(宇宙開発利用部会資料):https://www.mext.go.jp/content/20251223-mxt_uchukai01-000046536_002.pdf
- 科学技術振興機構 サイエンスポータル(H3 6号機):https://scienceportal.jst.go.jp/stories/20260612_s01/
- 科学技術振興機構 サイエンスポータル(H3 9号機):https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20260812_n01/
- sorae/宙畑ほか報道の打ち上げ記録(space-connect):https://space-connect.jp/h3-mission/
