HISTORY — 1955–2026
打ち上げの
70年
長さ23cmのペンシルロケットから、全長63mのH3まで。日本のロケットは、失敗から学び直しながら大きくなってきました。おもな出来事を、図と年表でたどります。
最終確認 2026.10.16
EVOLUTION
大きさの移り変わり
TIMELINE
年表
ERA 1 — はじまり 1955–1970
ペンシルロケットの水平発射
東京大学の糸川英夫らのグループが、長さ23cm・重さ約190gの小さなロケットを水平に撃ち出す実験を行いました。日本のロケット開発はここから始まります。
初の人工衛星「おおすみ」
L-4S 5号機で、日本初の人工衛星「おおすみ」が軌道に乗りました。旧ソ連、アメリカ、フランスに続き、自分の国のロケットで衛星を打ち上げた4番目の国になりました。
ERA 2 — 二つの道 1970–1999
固体燃料のミューロケット
科学衛星を運ぶため、東京大学(のちの宇宙科学研究所)は固体燃料のミュー(M)シリーズを育てました。
N-Iロケット初号機
実用衛星を運ぶ液体燃料ロケットの道は、アメリカの技術を取り入れたN-Iから始まりました。技術試験衛星「きく」を打ち上げています。
H-Iロケット初号機
第2段に国産の液体水素エンジンLE-5を採用。日本で初めての、液体水素を使うエンジンでした。
H-IIロケット初号機
第1段のエンジンLE-7をはじめ、主要な部分を国内で開発した大型ロケットです。
M-Vロケット初号機
直径2.5mの大型固体ロケット。のちに小惑星探査機「はやぶさ」を打ち上げます。
H-II 8号機が失敗
第1段エンジンLE-7の部品が壊れ、エンジンが止まりました。この教訓はH-IIAの開発に生かされます。
ERA 3 — H-IIAの時代 2001–2025
H-IIA 試験機1号機
H-IIを改良し、信頼性と低コストを目指したH-IIAが初飛行。ここから24年間の主力になります。
M-Vが「はやぶさ」を打ち上げ
小惑星イトカワから試料を持ち帰ることになる探査機が旅立ちました。
H-IIA 6号機が失敗
ブースターを切り離せず、指令破壊されました。H-IIAで唯一の失敗です。
H-IIB 初号機
宇宙ステーション補給機「こうのとり」1号機を打ち上げ。H-IIBは9機すべて成功します。
イプシロン 試験機
組み立てや点検の手間を減らし、手軽に打ち上げられる固体ロケットとして登場しました。
H-IIAが「はやぶさ2」を打ち上げ
小惑星リュウグウから試料を持ち帰る探査機です。
MOMO 3号機が宇宙へ
民間企業が単独で開発したロケットとして、国内で初めて宇宙空間に届きました。
ERA 4 — 次の主役へ 2023–
H3 試験機1号機が失敗
第2段エンジンに火がつかず、指令破壊されました。
H3 試験機2号機が成功
失敗から1年足らずで、H3が初めて衛星を軌道に届けました。
カイロス1号機
民間の射場から初めての打ち上げ。打ち上げの約5秒後に飛行を終えました。
H-IIA 50号機で引退
温室効果ガスなどを観測する「いぶきGW」を打ち上げ、50機中49機成功で役目を終えました。
H3 8号機が失敗
フェアリング分離の衝撃で衛星を支える部分が壊れ、みちびき5号機が失われました。
ブースターなしのH3-30が初飛行
エンジン3基だけで飛ぶ、費用を抑えた形が成功しました。
H3 10号機が火星へ
火星衛星探査機MMXを打ち上げる予定です。
IN NUMBERS
数字で見る
- JAXA ペンシルロケット(資料):https://www.jaxa.jp/projects/pr/model/files/p_pencil_a2_2022.pdf
- JAXA宇宙科学研究所 日本の宇宙開発の歩み:https://www.isas.jaxa.jp/e/japan_s_history/brief.shtml
- JAXA宇宙科学研究所 L-4S-5:https://www.isas.jaxa.jp/en/missions/launch_vehicles/l-4s-5.html
- JAXA H-IIAロケット:https://www.rocket.jaxa.jp/rocket/h2a/
- ウェザーニュース H-IIA 50号機:https://weathernews.jp/news/202506/290076/
- MONOist MOMO3号機:https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/1906/06/news006.html
- Wikipedia N-I / H-I / H-II / M-V(初飛行日の参照):https://en.wikipedia.org/wiki/H-II
- 文部科学省 H3ロケット8号機の原因究明(宇宙開発利用部会資料):https://www.mext.go.jp/content/20251223-mxt_uchukai01-000046536_002.pdf
- 科学技術振興機構 サイエンスポータル(H3 6号機):https://scienceportal.jst.go.jp/stories/20260612_s01/
- 科学技術振興機構 サイエンスポータル(H3 9号機):https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20260812_n01/
